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第2章 動き出し運命

「ふたりは良く飲みに行かれるんですか？」

「おうよ。良く飲みに行くよなっ。華？」

上機嫌で私のことを名前で呼ぶ。
それが何を意味するのか春馬は気がついていない。
立花さんが怪訝な目で私と春馬を交互に見ているのが視線だけで感じた。
もう、別れたと言っても過去の出来事が消える事ではない。
会社にばれたら、左遷…

「あの…三宅さんとは飲み友達と言うか…いつも愚痴聞いてもらったりしてるので…」

苦しい言い訳をしながら、ちらりと立花さんを見たら冷ややかな目で私を見ていた。
どうしてそんな冷たい目をするのか分からない。
そして、その目を見て、とても懐かしい気がした。

「ちょっとお手洗いに行ってきますね。」

私と春馬を残して立花さんは席をたち部屋から出て行った。

「春馬…名前で呼んじゃ駄目だよ…きっと変に思わ―――」

「寝れてるか？」

私の言葉を遮って、真剣な瞳で私を見ながら春馬は告げだ。

「一緒にいてやれなくて…ごめん。けど…華が一人でも寝れてるのか心配なんだ…」

その真っ直ぐな瞳にドキリとする。
その瞳が私は好きだった。
その瞳を見ると、まだ好きなんだと実感する。