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遠い日の約束。
第13章 混在する記憶
「あっ…」

美弥の命がつきるのを感じた。
これが最後だと。
本当にこれで美弥と葉月の人生が終わってしまうと私は感じ取った。
やっと心も体も通じたのに。
愛し愛されこれから幸せに過ごしていけるのに。

「なんで死を選ぶの…?」

分からない…
いや…分かってるけど…分かりたくない。

『美弥…俺こそありがとう…一緒に逝くことを許してくれて…。美弥と出会えたことが奇跡だった。美弥と共に生きられて幸せだった。これからもずっと一緒だ』

「そんなこと言わないで!!一緒に生きようって…共に生きようって言ってよ!!」

届かないと分かっていても叫ばずにはいられない。

『私も…葉月と出会えてよかった…。最後まで一緒にいてくれてありがとう』

「美弥!!美弥!!生きてよ!!生きて幸せになってよ!!」

美弥と葉月は見つめ合って笑った。
それはとても幸せそうに…

『美弥…愛してる…』

『葉月…愛してる…』

そしてふたりはキスをして、抱き合ったまま湖に沈む…

「いや────────────」

私は狂ったように叫んだ。

「死んだらダメ────。生きて…生きて幸せなって!!」

ふたりを助けたくて無意識に湖に入っていく。
この世界のモノを感じなかったのに、湖の水の冷たさだけは体に感じた。
足の底から押し寄せる冷たさに足を取られながら美弥と葉月の元に行こうともがく。

「お願いだから…お願いだから死なないで…」

それでも、私の声は届かず、ふたりの姿は私の目の前から消えた…

「いやぁ────────────」
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