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遠い日の約束。
第15章 残された者の哀しみ
どこまでも自分といようとする麻耶の心が南和の心を溶かしていく。
誰一人として必要としてくれなかった自分を、どんな形でさえ必要とする麻耶の心は南和を正常な世界へと導く。

『麻耶…ずっと…ずっと…そばにいるから…どんなに離れても心は傍にいるから…』

『それって…』

麻耶は南和の言葉が引っ掛かり問い返す。

『麻耶…僕は麻耶や美弥、葉月に出会えてよかった。こんなこと言う権利ないけど…あの時に出会ってなければ僕はここにはいない…そんな大事な人たちを僕は傷つけ死に追いやった…その報いは受けるべき…その罪は償わなければいけない…』

『南和っ…』

最後の言葉のような様な気がして麻耶は南和の腕を握りしめた。
その手に、南和の手が重なった。

『麻耶…抱きたい…抱いて…麻耶を感じたい…』

『一緒に…いてくれる?ずっと…ずっと傍に…』

『いるよ。ずっと傍にいる…この世が終わっても、次の世でも…この魂が終わるまで…僕は麻耶の傍にいる…そして…美弥と葉月に償い続ける…』

その言葉を聞いて麻耶はほっとする。
前に一緒に進めると、両手を広げて南和と心も身体もひとつになることを望む。
南和はその手を取り、手の甲にチュッと口づけをする。
それは愛おしそうに…
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