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遠い日の約束。
第3章 言い伝え
春馬といても克服できなかった水が、今は大丈夫な気がしてくる。
しがみついていた手を離し、よりかかりながら身体ごと湖に向けた。
風がない湖は静まり返り波立っていなかった。

「もう、大丈夫だね」

私の想いを読み取り優しく語り掛ける。

「ありがとうございます…小さい頃から…苦手だったんです。苦手と言うか怖い?どうしても怖くて近づけなくて…学校のプールとかも一度もでたことないんです」

「理由は?」

「分かりません…昔から…物心ついた時から怖かった…」

立花さんの身体に全てを預けて湖を見る。
不思議と怖さはない。
ただ懐かしいような、そんな気さえ起こり始めていた。

「いろいろと…ありがとうございます。」

「んっ?」

何かな?と言うように返事をする。

「準備とか色々?運転までしてもらって…目の前のビール飲んでもいいですよ」

ローチェアーの横に置いてある缶ビールを指して言うと「悪いね」と言ってプルトップを空けて、一気に流し込んだ。
そして、『ぷはぁ~』とおじさんみたいな仕草をする。
いつもと違う姿がかわいくて、クスクスと笑ってしまった。
それに気がついて私の顔を見た立花さんと目が合い、真剣な瞳で見つめられる。

「たっ…立花さん??」

あまりの真剣な表情に戸惑いながら声をかけると切なげな瞳に変わる。

「いつになったら、名前で呼んでもらえるのかな?」

「えっ??」

すっとんきょうな声を出して驚く私に寂しそうに告げる。

「私は俊樹って呼んで欲しいと常々思ってるんだけど…どうしたら呼んでもらえる?」

抱きしめている腕を解き、下から除き見るよう甘えた感じだった。

「えっと…あの…」
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