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第17章 感情

それから当分の間、慌たださの渦に飲み込まれ、自分の感情はなかった。

あの汚かった市営住宅を出た…最小限の荷物以外は全て、廃品業者に処分してもらった。

私はウィークリーマンションを借りた。
高校卒業するまでの間しかいないから。

新しい部屋…やっと私は私に戻れた。

現金を引き出し計算した…合計798万円。

大金とはいえないが、それでも重みは充分にある。

サラリーマンの平均月給25万…ボーナス3ヶ月として…25万×15ヶ月…年375万。

約２年分のお金…目の前に積み上げるには何年かかる？

机の上の約800万の現金…思ったよりも小さかった。

それでも、この紙切れで、人生を変えられる…人生が変わる。