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夏の華 〜 暁の星と月 Ⅱ 〜
第8章 真夜中のお茶をご一緒に
「…嫌じゃないんだ…でも…やっぱり怖い…」
…また恋をして、傷つくのが怖いんだ…。
そう蚊の鳴くような声で囁いた司の背中を、泉は暫く見つめていたが、やがてゆっくりと抱きしめた。
そして幼子に語りかけるように、優しく髪を撫でながら告げた。
「…分かりました…。司様は何も怖がらなくてよろしいのです。…私のことをゆっくりと好きになって、受け入れていただけたらそれで良いのです」
司は俯いたまま、自分の胸に回された泉の大きく美しい手をそっと握りしめた。
「…泉…」
「…私はいつまでもお待ちしています。
…ですから、今夜はゆっくりとお寝みなさいませ…」
そう心地よい静かな口調で囁くと、もう一度司を抱きしめ、髪に優しいキスを与えた。
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