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夏の華 〜 暁の星と月 Ⅱ 〜
第12章 その愛の淵までも…
事後、二人して縺れ合うようにして、寝台に倒れこんだ。
いつまでも繋がりを解こうとしない月城を嬉しく思いながらも、そんな男の心情が気になる。
優しく汗を拭かれようやく息が整った頃、暁は自分を抱きしめて離さない男の美しい貌を見上げて尋ねた。
「…ねえ…何かあったの?」
眼鏡を外した月城の貌は年より更に若々しく、野性味すら感じられて、暁は今更ながら胸がときめく。

「どうして?」
月城は甘い微笑を浮かべながら、暁の髪を撫でる。
「…だって…いつもより激しかったから…」
やや羞らいながら伝えると、月城は小さく笑い、暁の髪に優しくキスを落とした。
「…最近、マンネリでしたか?」
「そ、そんなことない…!…いつも君とのセックスはどきどきする…」
…毎回、初めてみたいに…
と、上目遣いに見上げる暁を、月城は堪らずに抱き竦め、唇を奪う。
「…ん…っ…」
「…可愛いことを仰る…」
「自惚れかもしれないけれど、君のことは誰よりも僕が一番分かっているつもりだ。…だから今日はいつもの君と少し違う気がして…」
…月城は見た目のクールさとストイックさを裏切るかのように大胆で優雅な野蛮さを持ったセックスをする。
それに慣らされた暁ですら、今夜の月城の性交は激しく情動的だった。
…まるで暁を失うのを恐れるかのように執愛的に暁を求め、濃厚に愛撫を繰り返した。
求められるのは嬉しいけれど、気になったのだ。

月城は優しく眼を細め、暁の肩を抱き寄せる。
「何もありませんよ…」
「本当に?」
尚心配そうな貌をする暁の顎を持ち上げ、吐息がかかる距離まで引き寄せる。
「…貴方が相変わらず余りにお美しいので、少し心配になっただけです。…貴方が誰かに奪われはしないか…と」
儚げな白い花のような暁の貌が綻ぶ。
「…そんなこと…あり得ない。僕はもういい中年だ」
「貴方はご自分で気づいていらっしゃらないだけです。
…貴方の美貌は三十を超えられて益々円熟され、妖しいまでにお美しく…輝くようになられた…。
…そして、このお身体も…」
「…あ…っ…」
…月城は繋がったままの下肢を強く引き寄せた。
暁の中の月城の牡が硬度を取り戻し、柔らかく蕩けたままの淫肉に当たる。
「…や…も…おおきく…しないで…」
整ったばかりの息が甘く弾む。
「貴方の中が気持ちよすぎるのがいけないのですよ」
男の身勝手な言い分を潤んだ瞳で睨む。

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