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第5章 シーン　5

「偶然？」
「そうなの、偶然って何だかわからないでしょう。」
「当たり前だろ、じらさないで続きを教えてくれよ。」
「実はね、美奈のキャバクラに通ってくるお客さんの中に、うちの会社の取引先の営業の人がいて、接待に度々お客さんを連れてくる人がいるというのよ。」
「里菜の会社の取引先？」
「どうせ名前聞いても分からないわよ。それよりね、その人高原さんっていうのだけれど、高原さんは時々浅田部長を接待しているはずなのよ。」
「ほう、じゃあ、浅田部長は美奈さんのキャバクラのお客さんなんだ。」
「それはまだみたい。美奈のお客さんの中に浅田部長はいないようだし、あたしの会社の名前も聞いた事はないって言っていた。ただ、高原さんが接待に使うようになったのはここ３ヶ月くらいだと言うからそろそろ浅田部長を接待に連れて来るころじゃないかと思うのよ。」