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第8章 　疑似セックス

　今度はクリトリスが男性器に刺激されて、私は自分から曲げた膝を開いていた。その方が割れ目が広がり、もっと気持ち悦くなれそうで……。
「美桜……」
　左の乳首をしゃぶってから、今度は右を丹念に。私の気持ち悦い場所を、ちゃんと覚えてくれている。
　それを、嬉しく感じてしまう。
　左の乳首は指で乳首を、右は乳房も揉まれる。
　ご主人様の腰も緩やかに動き、男性器がクリトリスに擦りけられていた。
　付けた密のせいで、クチュクチュと音が聞えてくる。
「あっ、ああっ、はあっ」
　私も快感に合わせて、自然に腰を動かす。これは、さっきのオシオキで覚えてしまったこと。
　友達にはオクテだと言われていたけど、これがセックスの格好だということは知っている。後は、男性器を挿れるだけ。
　今はまだ、ご主人様もまだ挿れないと言っていた。不思議と、それを信じられるようになっている。
「美桜？　悦い？」
「はあっ、イ、イイっ、あんっ」
　私にとっては、凄く恥ずかしい言葉。でも恥ずかしいと思う度に、何故か体の奥が熱くなる。
　男性器をしゃぶった事も、全裸を見られる事自体恥ずかしいのに、今は不思議な思いが私を包んでいた。
　体に熱が生まれるのは器具でも同じだけど、放置され続けた事で温もりが嬉しい。同じ熱でも、人間から与えられる方がより熱く感じた。
「あっ、ああんっ！」
　ご主人様の腰の動きが徐々に激しくなると、クリトリスへの刺激も強くなる。
「あっ、ヤぁっ、んんっ、はあんっ」
　ヘンっ……。さっきみたい……。
　器具を付けられてオシオキ部屋に放置されていた時、何が起こったのか私はまだ解らずにいた。
　体中がどんどん熱くなって、それがクリトリスに集まる。熱は激しく燃えるようにアソコも全身もビクビクとさせ、一瞬目の前が真っ白になった。意識も失いそうになる。最初は、その感覚が怖かった。そのまま、死んでしまうんじゃないかと思って。
　似たような熱がクリトリスに集まって来た今、それが何となく解って来た。
「んっ、ヤあっ、へ、ンっ、ああっ」
「美桜は、クリトリスだけで、イけるようになったんだよね？」
「ヤっ、ヘンんっ、ああんっ」