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第8章 176～197

[愛]
本当の愛は必ず存在する！

▽俺の返事待ち…俺は口を開いた。
[俺も探してた…誰かの為に生きたい…そう思うのが人間にしか出来ない行為…それが愛だと分かってた。
ただ俺は理解してなかった。
理屈だけじゃダメなんだ。
誰かと共有…つまり体験しなきゃ、理解する事は不可能なんだ]

トオルの表情は変わらない。
俺はかまわず話す。
[トオルと俺は同じ世界の住民と思ってた。同じ視線で考えてる人間だと…ただスタンスが違ってた]

俺はトオルの横に座った。
[俺はトオルと向き合ってなかった…同じ人種に出逢えただけで喜んでいた。
このように隣りに座って、近くで同じ世界を見てたんだ。ってだけで満足してた]

俺はトオルと向き合った…キスをした。

[本当の愛を教えてくれてありがとう]
唇を離し、感謝の言葉を言った。

トオルは泣いた…俺も泣いた。

早朝６時…アパートの１室で３０過ぎの男２人が抱き合って泣いた。

▽愛の証明…
自分の弱さも醜さも全てさらけ出せるかどうか？

自分のプライドや価値観よりも、愛(相手)を取れるか否か？