この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
ジャンクフードでできている
第17章 地球儀
three…

two…

one…

zero…

fire!

ぐ、ごごごごごっががががっ!!

「っ!!!」

秒読みの後、強烈な加速によって、重力が増し、身体に負荷がかかる。

何度味わっても慣れない。
 
かつて大気圏内を飛び交っていた飛行機ですら、私には理解不能な乗り物であったのだ。

ましてや、宇宙空間を航行するスペースシャトルなぞ範疇をとうに超えているのだ。

天空へ向け、大気を割りながら、突き進み、重力の呪縛から逃れ、地球とおさらばする。

そんなことを何度も繰り返すことになるなんて。

それも致し方ない。

地球上には人類が対応しきれないウイルスが蔓延しているからだ。

ワクチンによる対処療法は、感染と変異の速度が倍加することによって早い段階で間に合わなくなり、そのうち、人類のDNAをいじって、肉体そのものをウイルスに耐えるものにせざるを得なかったのだが、それは人類の種としての分化につながった。

実際、ウイルスを取り込んで順応した『新人類』はそれまでの『旧人類』よりも生物として優位となり、害獣として駆逐し始めたのだ。

残虐極まる方法で。

結果的に、残されたわずかな『旧人類』は新人類から提示された【別惑星への移住】という道を選ぶしかなかった。

その建前上、人道面に配慮した明るい道(ノアの方舟計画などと呼ばれた)は、新人類による旧人類に課せられた人体実験であり、復讐だった。

しかし、移住先候補となる月を探索中に、旧人類はおぞましいものを発見する。

地球上から隠されるようにして月の裏側に、数千年前から続く先住民の遺構が残されていたのだ。

当然、その存在は新人類にも露見したのであるが、遺構の情報から、数千年前にも現在のような地球規模的危機に見舞われ、当時、かなりのテクノロジーを有していた人類の祖先も今回と同じように地球から月へと退避し、そこで定住、以後、地球上の状況を観察、監視していたとのことであった。

つまり「彼ら」はいわゆる「宇宙人」として「未確認飛行物体」などと私達が呼んでいた重力制御可能なスペースシャトルでときどき月や他の惑星から飛来していたのだ。

旧人類は密かに「彼ら」と接触していて、新人類政権へのクーデターに利用しようと企んでいる。

私は「彼ら」との交渉役に選ばれた旧人類のダブルスパイで…

「矢追的な」







/115ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ