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第33章 　ホワイトクリスマス

今年のクリスマスは互いにとって特別なものだと思っていた。

想いが通じ合ったからこそその日を大切にしたかった。



それなのに、佐野とは逆に紗良はあっさりとしたものだった。


『仕事ですから、仕方無いですよ。クリスマスは崇志さんが帰ってきたから一緒にしましょう。札幌なら確かイルミネーションが綺麗だって前にニュースでやってましたよ。ついでだから見てきたらどうですか？』


イルミネーション等というものは本来恋人のためにあるようなもの。


そこに一人で、もしくは秘書の近江との男二人で並んで歩けというのか。


それは一体どんな仕打ちだと内心突っ込みながらも佐野は一緒に過ごしてやれないことが申し訳なくて胸が押し潰されそうだった。