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溺れる金魚
第13章  記憶の無い朝
彼女が夢に寝惚けて、ベットで手を繋ぎにきてからというもの、いや、発端は違う。


もっと前……きっとあの夢を見てからだろう。

熱にうなされながら見た夢。




彼女との濃厚なキス。


夢と分かっていながら、思い出されるリアルな唇の柔らかさまで再現していた感触。





あれからというもの、感情のコントロールが難しい。



酒に酔って帰った日だって、そうだった。




いつもは手の甲にだけ落とすキスを、その夜は堪えられなかった。

髪に触れて更に唇を寄せる。



それ以上の行為を、どれ程我慢しているか彼女に分からせてやりたい。
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