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**情画**
第7章 曙


「お父様、時間もないし、楽なポーズだから続けて…」

「わかった。辛くなったら言うんだよ。」

「大丈夫よ。」

会話の間も沙絵さんはワタシを見ない。

自分で此所に置いたのに、そこまで忘れさることが出来るだろうか。

ワタシは人形か何かのように、生きていることすら忘れさられてないだろうか。

休憩がなかったのは良かったのかもしれない。
沙絵さんが想像通り先生に近づき、二人が抱き合うのを見なくて済んだのだから…

先生が絵の具を取り色を作る。色合わせもなくベースの何色かが作られる。

休憩があった方が良かったのだろうか。

何とか言い訳を作り、此処から立ち去ればいいのだから…

色合せをせずとも、的確な色が作られていくのにも嫉妬する。

それだけ肌の色を知っているということだろう。

ワタシは卑しい考えしか浮かばなくなっていた。
沙絵さんの酷い拷問で心が捻れてしまったのだろう。

そう何度も言い聞かせながら、 長い時間をやり過ごした。

臍を中心に色付けが始まる。

『一番は命の源から描いていく。』

先生は臍が源と考えているということだろうか。

それは沙織さんと沙絵さんが繋がっていた証?

それとも臍の奥にある女の源が一番?


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