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**情画**
第1章 再開

「大丈夫よ。いずみさん、わかったかしら?
私、カメラマンを目指してるの。
貴女の許可なしに外に出したりしないわ。
いいわよね。」

「どうぞ、構いません。」

「ほら、許可を得たわ。これでいいんでしょう?お父様。」

先生の表情は渋々といった感じだった。

ワタシのことに関しては、何かしらの約束がされているようだけど、
それ以外では、普通の父娘関係なのかもしれない。

「いずみさん、明日には写真出来上がるわ。
お父様以外の人間を撮ったの初めてなの。
私の作品見に来てね。」


完成した作品を見ることを先生に焦らされて、引き伸ばされて、焦がれてここに見に来ていたことを思い出す。

沙絵さんが知ってか知らずか、同じことを言う。
父娘なんだな。
血は繋がらなくとも先生を見て育って来たんだなと思った。

しかし、芸術のジャンルとしてはかなりかけ離れている。

先生は、一瞬の美しさをそのまま描きとめる為に、素材を選ぶ。
その一瞬を留めるために命を削るような情熱を注ぐ。

沙絵さんは素材でなく、手段を選んだんだ。
一瞬をそのまま留めるためにカメラという筆を選んだんだ。

カシャッ…カシャッ…


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