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第5章 霧の中

「うぅｯ…」

「いいよね。」

純は奈緒の顔を覗き込みながら、指先をゆっくりと中に沈めた。

「ｩｸｯ…ダ、メ…うぅｯ…」

ゆっくりと何度も出し挿れされる指を、奈緒の身体が締め付ける。

「あぁ…奈緒さん、熱い…」

「ﾊｧ…ﾊｧ…」

奈緒が目を開けると、唇が触れ合う程の近さで純の熱い眼差しが、待ち受けていた。

目をそむける事ができない。

純の指の動きに、奈緒は酔いしれた。

「ﾊｧ…ﾊｧ…ﾊｧ…ﾊｧ…」

純を見つめながら、腰をくねらせてしまう。

声をこらえても密は溢れ、恥ずかしい音を聞かれてしまう。

「僕を見て感じて。」

「ﾊｧ…ﾊｧ…ﾊｧ…ﾊｧ…」


どうしてこんな子に

こんなに感じるの？


純は真二の若い時のように急がない。

自分本意に突き進まない。

女を知り尽くしているかのように、奈緒を導いていた。


あなたは誰？


熱さが増してゆく。

純と見つめ合いながら、奈緒の身体が波打つ。

優しく強くしごかれ、とろける快感を味わいながら、昇りつめてゆく。

純の手に

身体を預けたくなる。


だめ…

だめ…

あぁ…


「うぅｯ…ﾝｯﾝｯﾝｯﾝｯ…」

「ﾊｧﾊｧ…奈緒さん、奈緒さん、感じて、もっとだよ…」

奈緒は反り返り、純の指を締め付けながら、淫らに腰をくねらせた。

「ﾝｯﾝｯﾝｯﾝｯ…ﾊｧﾊｧ…ぃ、いゃ、うぅｯ…い、いゃぁｧｧ…」


奈緒は果てた。

純は奈緒の唇を奪いながら、スカートとショーツを脱がせ、自分も服を脱ぎ捨てた。

汗ばんだ二人の身体が絡み合う。

純の熱さが奈緒を包み込み、抵抗する力を奪ってゆく。

身体中が純を欲しがっている。

下腹部に感じる熱いものを、篠崎ではない別の男を、奈緒の身体が求めている。


違う…

違う…


「あそこにキスをしたい。」

耳元に熱い息がかかる。

耳を這う舌に深いため息を漏らす。

「ﾊｧﾊｧ…愛してないわ…」

「ﾊｧﾊｧ…愛なんていらない…」

奈緒の膝を押し開き、純がその中心に顔を埋める。

「あぁｯ…」

純の舌は、奈緒の声を上げさせるのに十分な動きだった。

熱い舌と柔らかい唇が、花弁を蕾を、優しく舐め上げ、啄んで奈緒を乱す。

「あぁ…純…純…だめ…だめ…」


もっと

きて…

きて…