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毒蜜喰らわば
第6章 dejavu・・?
「このお店にはよく来るんですか?
 こんなに素敵なお店を知ってるなんて、もしかして食通ってやつですか?」

「いえいえ、そんなんじゃありませんよ。
 ごく普通に、美味しいものは好きってくらいです」

恥ずかしそうに目を細める茂。
もしかして彼女とよく来る店なんじゃないか、なんて、
勝手に想像して勝手に拗ねる私の心。
拗ねるくらいなら聞いてみればいい。

「もしかしたら・・彼女と来た事がある店なんじゃないですか?」

「実は・・そうなんです。たまたま見つけたんですよ、2人でいる時に」

私は、思い出した。
表参道の裏路地の喫茶店には恋人に連れて来てもらったと言った時に
やっぱり、と言われたことを。
その時の言葉を投げ返す様に鼻に皺を寄せて笑いかける。

「やっぱり、彼女、いたんですね。
 魅力的な男性だもの、彼女がいても当然かなって」

「あれ?そのセリフ、どっかで聞いたような気がするんだけど?」

見つめ合う目を細めて私達は笑った。
まるでこれから恋に落ちる、男と女のように。


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