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第3章 似てる人

どうしてもまた、あの人に逢いたくなった私は、仕事が終わり、いつものように、海まで車を走らせた。

いつも癒されるために向かう道程なのに、今日は早く着くようにと、気持ちが急いでいた。

何度も通っていて、あの日にだけ逢えた。

もう何年も同じような時間に訪れていたのに、逢う事はなかった人。

たまたまの偶然だったに違いない。

でも、彼に逢えるかもしれないのは、あの海だけで、他に彼を探す術はなかった。

少しの奇跡を信じながら、私はいつもの海へと急いだ。

もう一度、あの人に逢いたい。

今度は絶対に忘れないように…。