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堕天使 1st gig.
第7章 役人
説教は受けたが始末書などの罰はなく、俺はさっさと五十嵐から逃げ出して報告書の仕事を済ませる事にした。宗司が俺に

『大佐殿はなんと?』

と聞いて来るから俺は

『今後は役人みたいな奴と話す時は全部宗司にやらせろとさ。』

と答えてやる。五十嵐のように宗司は不機嫌になりやはり俺に呆れていた。俺はただ仕事を済ませて帰りたいとばかり考えていた。

雨は嫌いだから…

だから…、俺は誰が悪い理由でもなく機嫌が悪い。こういう時は宗司は俺にこれ以上は何も言わない。俺にいつも通りなのは雄太くらいだ。雄太は

『隊長、夕飯どうする?』

と俺に聞いて来る。どうせ、リナはまだ帰らないと思っているはずだから俺は

『たまには食堂で食って帰る。』

と答えてやる。仕事を済ませたら雄太達と飯を食い、後は帰るだけだった。

上層部は文句を言っては来たが一応俺達に2日の休暇を出していた。とりあえず俺は2日間は苛立つ必要はないんだとか考える。

雨はまだ降り続いていた。俺は宗司に

『帰る。』

とだけ言って本部を出ていた。家に着くと風呂上りのリナが

『帰れたの?』

と聞いて来る。俺はリナに

『悪いか?』

と言っていた。リナが不思議そうに

『まだ機嫌悪いの?』

と俺に言う。さすがにリナにまで八つ当たりはしたくないから俺は

『飯は済ませて来た。風呂入ってビール呑んだら寝る。今回はほとんど寝てねぇんだ。』

とだけ言っていた。リナは何も言わない。本当はリナだって俺に聞きたい事は山ほどあるはずだ。だが俺から話さない限り、リナは余計な事は一切聞こうとして来ない。

リナは風呂上りの俺に黙ってビールを出し、俺の膝に黙って乗って来る。ただリナは

『雨が止まないから洗濯が乾かないんだ。』

とだけ言って来る。俺が雨を嫌いだからリナはそう言っている。雨に迷惑しているのは俺だけじゃないとリナが俺に伝えようとしている。

だから俺は

『だから、雨は嫌いなんだ…。』

とだけ言っていた。後はずっと黙ったまま俺はビールを呑み続け、リナは黙って俺に寄り添っているだけだった。

外の雨は一段と激しくなり、ザアザアと雨音だけがうるさいくらいに俺の耳に響いていた。
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