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堕天使 1st gig.
第31章 自由
そんな俺にクスクスと笑うリナだったが、変な店で知らない女と通じない言葉を話すより、リナと居て、言葉が通じない美優を構ってやる方が今の俺には優先だった。

美優はただ俺が居て、抱っこされているだけでご機嫌で

『あー!』

と妙にはしゃいでいた。リナが選んだレストランでやはりリナがメニューを頼み、リナがカレーを頼むから

『カレーはやばくないか?』

と俺は兵舎の食堂の話しをしていた。リナは少し考えてから

『それって、カレーじゃなくて飲んだ水じゃない?』

と言い出した。

『んあ?』

『こっちの水道飲むとお腹壊すらしいよ。それで飲み水はミネラルウォーターなんだけど、ホテルでも氷とかは水道水の氷だから、婦人会では水を頼む時に氷無しにして下さいって頼むようにしてるもの。』

『マジか?』

『ホテルでお酒に氷が入ってた人だけお腹壊したって婦人会でもそういう注意事項が来てもん。』

と言っていた。俺はなるほどと考えてから休暇明けは氷無しの水を飲めと新たな通達の必要を考えながら面倒くせぇとため息が出ていた。

多分、リナが言った事は正解で、俺はカレーをリナと半分ずつにしたが、やはり腹に異常はなかった。

後は日本食に似た焼き鳥や豚肉を野菜と炒めたものだった。美優がスプーンを舐めているから俺は

『大丈夫なのか?』

とリナに聞いてみた。リナは

『そろそろミルク以外の味を色々と覚える時期だからね。日本に帰ったら、薄めたジュースとか薄めたスープとか少しずつ飲ませる予定なんだ。』

と母親の顔で穏やかに笑っていた。食事の最後に美優はリナが保温で持ち歩いていたミルクを飲み、前みたいにミルクを飲んだ程度じゃ簡単に寝ない子になった美優を俺は初めて知る事になっていた。

たかが、5日ほど離れただけでそういう変化が美優にあるのだとある意味俺は感心していた。

だけどレストランを出て、少しリナと散歩するだけで美優は俺の抱っこで眠っていた。リナが

『美優のお風呂は明日だね…。』

とため息をつき、ビラに戻って美優をうちのベッドより更に広いキングサイズのベッドの真ん中に入れていた。
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