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【Onlooker】~サラが見たもの~
第8章 危険な、遊技?


「――!?」


 ワゴンの上に乗っていた幾つかのものを見て、サラの内心には期せずして嫌な予感が奔った。その一つ一つをつぶさに確認したわけではないけれど、それらの“道具”は少なくとも会食の場には相応しくはなかった。

 出刃包丁――金槌――鋸(のこぎり)――金切鋏(かなきりばさみ)――等々。


「……」


 そのようなものは、一体なんのために用意されたのか? 床に倒れた二人は、どうなろうとしているのか?

 否応なく、緊迫感が高まる。そうして――


「さぁて、じゃあご説明しますねー」


 その全てを理解した咲花が、得意げに口を開いた。


「謝罪っていうと、なんだか堅苦しいじゃないですかー。それでちょっと趣向を凝らして、ポップにゲーム感覚でやってみたらどうかと考えたわけなのでーす。それでね――まずは、コレを」


 と、咲花が皆に見せたのは、普通のサイコロである。そして、それを――


「じゃあ、試しに振ってみますよぉ」


 咲花はそう言って、テーブルの開いたスペースにそれを振った。サイコロは転がり、やがて止まって出た目は――【2】。


「ハーイ! 【2】でしたぁ。これがどうなるかというと――」


 咲花はそう言いながら、ワゴンの上に並べられた道具を見る。


「――!」


 サラも改めてよく見てみると、それらには【1】~【6】番号がふられたシールが張られていることに気づいた。どうやらその番号が、振ったサイコロの目に対応しているということらしいのだか……。


「使う道具は――この金槌に決まりましたぁ!」


 妙なテンションのまま、咲花はワゴンの上から【2】のシールが張られた金槌を手に取り、それを高々と掲げた。
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