パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第9章 委ねられる、人生？

　それを踏まえた上で悩ましげに顔を背けたのは、黒木。しかし、サラがじっと自分の言葉を待っていると知るや、仕方なくこう答えていた。


「わっかんねーよ、そんなの……」

「わかんないって？　好きか、そうでないか――？」

「違う。そういう意味じゃなくて」

「じゃあ？」

「ちっ、なんつーかな……」


　黒木は、いかにも自分の気持ちを語るのが苦手といった風で、また髪をガシガシと掻くと少し照れたように言った。


「自棄になったんだよ」

「ヤケ……に？」

「ああ、なんでこんなことに巻き込まれてるんだって？　なんだか情けなくなったんだよ。元を正せばアレが悪いコレが悪い……自分の人生を呪いたい気分になったつーか。だから――」

「だから？」

「あの男を、もっと怒らせようと思った。言った後で、どうなるかって……スゲエ、ビビってたけどな」

「じゃあ、咲花さんの……こと？」

「そんなもん……俺だって好き好んでわざわざ、あんな“怖い人たち”に関わりたくはねーって」


　それが本音なのだと思い、サラは得心していた。しかし――