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【Onlooker】~サラが見たもの~
第12章 エピローグ

 そうして暫く、涼やかな風に頬を撫でられながら。

 なにをするでもなく二人は、しめやかな墓前に佇んでいた。

 ゆっくりと時間が流れる中で、サラは不意に言う。


「ねえ、俊くん――」

「ん?」

「私にキスして」

「は……?」


 突然なにを言い出すのかと、黒木は面食らっていた。
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