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【Onlooker】~サラが見たもの~
第3章 イケナイ、男(ひと)?

    ※    ※



 高級ホテルの部屋はとても広々として、シックで上品な内装。そんな雰囲気が、まずサラを圧倒してゆく。


「うわぁ……」


 思わず感嘆の声を洩らした。サラのみたいなごく普通の女の子にしてみれば、その部屋がどの様なランクであるのかすら想像に難しいのだった。

 そんなサラを、紺野はソファーへ座るように促す。


「どうぞ、こちらへ――ドリンクは、なにがお好み?」

「あ、いえいえ……私になんて、どうかお構いなく」

「どうして?」

「だって、私……お客では、ありませんし」


 サラが緊張気味にそう言うのを見て、紺野がふっと柔らかな笑みを零した。


「お嬢さんは、とても律儀な子――なんだね」


 面と向かってそう褒められ、サラは頬がかあっと熱くなるのを実感している。


「そ、そんなっ……わ、私……お嬢さん、とか、そんな柄じゃなくって……」


 モジモジと立ち竦みながら、自分がなにを言ってるのかすらサラはよくわからくなってくる。


「そうか。まだ、お名前を聞いてなかったんだね。よかったら、僕に教えてくれない?」

「ええ、あ、はい――白隅サラと申します!」


 サラは、きっぱりと名乗っていた。


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