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第6章 浮気

離婚したほうが良かったのかも知れない。

けれど、世間体を重んじる私の両親が許すはずもない。

それに、娘の笑顔を見ていると
とてもそんな気にはなれなかった。

今まで
たくさんの人を愛してきたけれど
初めて産むことが出来た宝物。

この子を
父親のいない子にはさせたくなかった。

主人と私の間には
もう修復不可能なまでの深い溝があったとしても。


この子は
間違いなく主人の子なのだから。



そして…私はまた
携帯で遊ぶようになってしまった。

別のサイトで新しくプロフィールを作り
メッセージを受け取っては
それに返信する。


もう後ろめたい気持ちなんてなかった。

主人には女がいる。

それがハッキリした以上
私が遊んでも文句の言われる筋合いはない。


私はただ
淋しい心の隙間を埋めてくれる存在が欲しかっただけ。

こんな私でも
必要としてくれる人が欲しかった。

私だけと言ってくれる人が欲しかった。



これが

私が出来る唯一の
主人への反抗だった――。