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心の隙間に…「君を好きにならない」スピンオフ
第5章 司さんと兄貴の友達(最終章)

簡易的な個室がある
馴染みの店に入り
二人で酒を飲みながら
色んな話をした


まだ
お互いのことは
ほとんど知らないままだったからだ


それに

司さんのことも
もっとちゃんと
コータに話しておきたかった


コータはバイトで
司さんとも
顔を合わせるだろうから。


「そうか…
じゃあ真琴って人が現れて
翔輝の想いは絶たれたってわけか」


「ま、そんな感じだ」


「それから向井さんとは?」


「LINEを一回だけ。
俺を心配した司さんが
その日のうちにLINEくれて
俺が返信して…それで
おしまい」


「なんか妬ける」


「え?」


「聞いとかなきゃだけど
そんなに追っかけてたんだと思うと
なんか妬けるよ」


「もう…なんとも思ってないよ」


「嘘が下手だな」


「えっ」


「そんな簡単に忘れるわけないじゃないか。
思い出す時もあるだろうし」


「…まぁ…そうだけど
でも、コータといると
向井さんのこと
忘れてるんだ。

不思議だけど」



「じゃ!
じゃあじゃあじゃあ!
やっぱ泊まる!」


「クスッ(笑)
ダメだよ。
大丈夫。
コータのことばっかり
考えてるから」


「…残念」


「次はコータの話
聞かせてくれよ」


「俺?」


「あぁ」


「何が聞きたい?」


「ん〜…
どんな人と付き合ってた?
色々…慣れてるみたいだけど」


コータは若いのに
セックスも慣れてるし
きっと色んな人と
付き合ってたんだろうな…


「翔輝よりは多分慣れてるけど
俺、そんな色んな男と
付き合ったりしてねーよ。
慣れてんのは…」


「ん?」


「年の離れた
俺の兄貴の友達がゲイでさ
最初そいつと付き合って
色々教えてもらったんだ」


「そ、そうなの?」


「あぁ。
だから俺の家族は
俺がゲイだってことも
知ってる」


「そう…なんだ…」


俺は
一生話せないかもしれないけど…


「ま、そんな感じだから
大学でも知れてるし
翔輝よりは
わりと…オープンってゆーか…
男と付き合うのも
やりやすかったんだ」


「いいな。
なんか羨ましいよ」


「よくねーことも
色々あるけどな」


「そうか…」


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