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ヒロイン三国ファンタジー
第4章 4 徐州を巡って・2
「起きておるのだろう」
「知ってたのか」
「途中からだがな」

「兄者も趙雲も――兄貴も我慢強いな」
「お前も随分と我慢強くなったことよ」
「そうかな」

横たわる玄徳を愛おしく思い優しく見つめる張飛は以前の荒くれではなかった。

「飲むか」
「ん。もう少しだけ付き合ってもらえるかな」
「ああ。今夜だけはもう少し付き合ってやろう」

「なあ兄貴。趙雲はどうしているかな」
「うーん。おそらく己で慰めておるであろうな。わしらと違い、あやつは最初から兄者に恋い焦がれているようだからな」

「ふむ。趙雲の方が我らよりも辛いのであろうな」
「ははっ。張飛よ。お前は本当に心優しい漢よなあ」
「そんなに褒めるなよ。照れるじゃねえか」

張飛は照れ隠しにグイッと開けた盃で顔を隠す。関羽もそれに気づかぬふりをし盃を空けた。
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