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溶かされてみる?
第20章 デートという名の争奪戦?

…もっとみんなのことが好きになってしまう。

ただでさえ、こんな感情…
本当は贅沢で傲慢で、持つことすらイケナイことなのに…
どんどん切り離せなくなる自分が怖くなる。

知れば知るほど好きになって
関われば関わるほど愛が増して

そんなこと口じゃ絶対言えないけど
心の中では本当にみんなが大好きで。


「恋?」「恋ちゃん?」
急に笑ったり難しい顔をしたりするあたしを
みんなが不思議そうに見つめながら名前を呼ぶ。

「…大好き」

「…え?」
「は?」
「ん…?」
「っ…!?」
「えっ?」
「…???」

やば、声に出た…!!
心の声が外に出て、
恥ずかしさのあまり颯爽と走り去るあたし。

そんなあたしの後ろ姿をみんなが呆然と見つめ…

「…大好きって」
「言ったな」
「言ったよね」
「言いましたね」
「言ったよな?」
「恋ちゃん…」

…本当に、可愛すぎる。

そんな風に野獣共が
嬉しそうな微笑みを浮かべ
走り去った恋を追いかけたことは…

恋はきっと知らないであろう。

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