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溶かされてみる?
第21章 流れていく時間
どうしよう…うち、言うだけ言って逃げ出すとか…
でも…あの湊の顔見てたら…
こっちまで恥ずかしくなってきちゃってっていうか、
いやキス自分からしたのが一番恥ずかしいんだけど…
「あれ?…融那じゃん」
「新!」
クラスの男子で、仲がいい、宝羅 新 (たから あらた)
「ちょっと匿って!!!」
「は?あ、あぁいいけど…」
新と靴箱のとこに避難にして
うちはことの経緯を新にはなした。
「お前さ〜そりゃねぇだろ」
「え、??」
「恥ずかしいのはわかるけどよ、そんな絶好の甘いタイミングで逃げられたら男も悲しむっつーの」
珍しい…大概恋の話とかしたら
めんどくさいって言われて終わりなのに、
今日に限ってもっともらしいこと言ってる、新。
「やっぱ…そうだよね…」
「今頃、融那のこと必死こいて探してんじゃねぇの?」
「会えないよ!恥ずかしすぎんだもん!」
まだ顔のほてり消えないしもーー!!!
「ふーん…ちょっと焚き付けてやるか…」
「え…?わっ…!!!」
新が何かつぶやいたように見えたけど、
その瞬間うちは手を拘束されて、壁に押し付けられた。
「新!!何やってんの!」
「いや〜ちょっとね、」
新の顔は悪戯をする子どもそのものの顔で…
「融那の付き合ってる奴って、巽、湊くんだったよな」
「そうだけど何??! 冷静なんだったら離してよ、新」
肯定した瞬間、新はうちの首筋に顔を近づけてきた。
「ちょ、何…やって…」
息が首の辺に当たって…!!
「まあまあ…あとちょっとだから…」
「や、やめて…」
うちは目の前の新が怖くなって目を強く閉じた。
「やめろ!!!!」
え…この声…
「み…なと?」
目を開き、声のする方を見ると、
そこには息を切らしている湊の姿があった。
「融那から手を離してくれませんか、新先輩」
「何、なんで? 湊にそんなこと言われる権利ないけど」
ん?
「新先輩のその汚い手が、融那に触れてることがまずいけないんです」
「ほ〜ぉ。湊も言うようになったじゃん」
ちょっと待って…
「2人とも…知り合い?」
うちは仲良く?悪く?口喧嘩する2人の
状況が整理できなくてついそんな場にそぐわない質問をする。
「幼馴染」「くされ縁。」
「え!!!!」
何それ!知らなかったし!!
しかもそれじゃ新にいったこと、湊にバレるじゃん!!