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溶かされてみる?
第7章 激情
女の子は律と暁翔の間に立ち
「め!喧嘩したら、め!」
と2人に頬を膨らましながら言った。
「りつ?くんはあきと?くんにあやまって!」
「あきと?くんはりつ?くんにあやまって!」
律と暁翔の手を握手させ、その女の子は真剣に言った。
「「なっ!」」
律と暁翔はお互い顔を見合わせて嫌な顔をしたが、まっすぐな瞳で見つめてくる女の子を見て、渋々と謝りあった。
すると女の子は
「うん!仲良いのが一番!」
と2人に抱きつきながら微笑んだ。
「きみはだれなの?」
皐がその女の子に聞く。
「れんだよ、漢字でこいってかいて恋ってよむの。」
まだ自分の漢字書けないんだけどね!と威張っていう恋。
「れんはなまえのとおり、いつかだいすきなひととこいするの!」
相手を探す時はこの指とまれするんだよってママが教えてくれたの〜と楽しそうに話す恋。
「楽しそうですね」
遠哉は恋の頭を撫でながら言った。
「れんがいまたのしいのはおにいちゃんたちといっしょにいるからだよ!」
そういうと恋の頭を撫でていた遠哉に、恋はお兄ちゃんもよしよしとおんなじことをした。
「あれ、遠哉赤くなってるね」
「こ、これは!不可抗力だ!!」
黎泱が赤くなる遠哉を見ながら茶化すと恋は一層楽しそうに笑う。
「お前、1人なの?」
律は恋のそばによりそう問いかける。
「れんね、ここでのおともだちまだいないの」
ママがお引越しするせいだからごめんねっていつも謝るのと、恋はさっきの笑顔はいつの間にかなくなり、急に落ち込む。