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溶かされてみる?
第7章 激情
遠哉side

ガチャ…
家に戻り、部屋に行こうと2階にいくとふと恋の部屋が目につく。

恋はあれから起きたのだろうか…
私は少し気になり、恋の部屋の扉をノックする。

コンコンコン…

…寝ているのだろうか…?
そういえば昨日寒い倉庫にずっといたと暁翔が言っていた。
まさか、熱が出ているんじゃ…!?

そう思った私は
「恋、はいりますよ!」
そう言って私は急いで恋の部屋は入る。

焦っていた私とは裏腹にベットの上にはスヤスヤと寝息を立てて穏やかに寝る恋がいた。

熱はないか…
私は恋のおでこに手を当ててみたが熱くも冷たくもなかった。

普通に寝ているだけか…
私はふっと胸を撫で下ろし安心した。

小さい時に出会った恋との出会いは、私にとっては大切な思い出だった。
あの頃の私は、周りから家のことで色々言われていた。
私の家は花道で有名な吾妻家であり、代々受け継がれて来た由緒正しい家だった。
その分小さい頃から礼儀や作法、勉学を厳しく教えられた。
父の恭次郎(きょうしろう)の代からは花道の教室も始め、より吾妻家は栄えた。

周りからは羨ましがられる声や非難する声、私は小さいうちから周りに色々言われて来た。
そんななかで、私のことを他の人と特別視せず同じように接してくれた恋の存在はは私の中で次第に大きくなった。

私もあいつらと変わらないな…
そう思いつつ、ふと部屋にあった時計を見ると、12時35分を指していた。

もうこんな時間か。
そろそろ恋も起きるか…?
私はそう思い昼飯を作りにダイニングに向かった。

〈遠哉side fin〉
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