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あなたの背中
第2章 2年前の6月


翌日の夕方、学校から慌ただしく帰ってきた私はシャワーを浴び着替えた。この時期は雨の日が続き、湿気で身体がなんだか気持ち悪くなる。

私以外全員男。初対面の人もいるわけで、服装をどうしようか…と悩み始めクローゼットを開く。

比較的綺麗好きで整理整頓は普段からしているので、いつ誰が来ようとそこは問題なし。けれど学生の一人暮らし。12畳のワンルームなので大して部屋は大きくない。バンドメンバーが全員家の中に来てしまったら暑苦しくて耐えられないな…なんて思う。


これから先、きっと大変お世話になるであろう人達との親睦会なので、気取らずジーンズのスキニーパンツにシャツというラフな格好で行く事にした。


ピンポーン … ♪


丁度支度を終え、時計の針が18:05を指していた頃インターホンが鳴った。

「 はい、今開けるね 」

モニターには圭が映っていたので、一言だけ返すと玄関へ向かった。

ガチャ …

「 お待たせしまし …… あれ?」

ドアを開けるとそこには圭しかいない。
首を傾げながら辺りを見回すが、人の気配はない。


「 …… みなさんは?」

「 先に店行った!ちょっと距離あるから今日は俺のバイクの後ろな!」

「 あれ、そうなんだ。じゃ、遠慮なく乗せてもらいまーす 」


ニコリと圭に笑顔を向ける。圭はよく自分の運転するバイクの後ろに私を乗せてくれていた。
少し遊びに行く時も、一緒にライブに行く時も、決まって移動手段は圭のバイクだ。

そのせいなのか、私が圭と会うときは必ずスカートではなく、パンツ姿になっていた。

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