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ラブプレイ〜Hな二人の純愛ライフ〜
第25章 虎視眈々(コシタンタン)
密かな焦りを誤魔化すと社長はそのモデルのポスターを自慢気に広げて見せた。

「やっぱ脚だけ…」

「当たり前だ。メインはストッキングだからな」

「ふーん…しかしマリオは相変わらずリアクション激しいね?」

繰り返される画面のCMに目をやれば、まるで洋画のラブシーンそのものだ。

「マリオと組むって大変だな…この新人……」

そう呟いた俺に社長は微妙な視線を向けていた。


「ところが──ってやつだ」

「ところがって?」

オウム返しのように俺は聞く。

「撮影すんだ後に食事に誘われたんだと」

「へえ、マリオに?」

マリオが仕事上で誘うなんて珍しい──

「それからオファーあって一回断ったんだがマリオからしつこいくらいに連絡くるぞ」

「へえ…認められたわけだ?」

それはそれは──

ウェンダム事務所のマリオと言えば知る人ぞ知る、仕事に対しては辛口で有名だ。
紳士なわりに泣かされる女性タレントも多いらしい
──


そう言われてるマリオが自らオファーか…


俺も心なしか興味が沸く──


「マリオが車のCMでオファー出したんだがこっちのスケジュールが合わなくてな…一度断ったんだよ。そしたら向こうに火が点いたみたいでそりゃ猛攻撃だよ、オファーの」

「……すごいじゃん、マリオの出るCMって大手ばっかだし──」

「ああ、楠木の薦めでちょっとした臨時で頼んだらまさかの大当たりだ。結局、ウイスキーの店頭用ポスターのオファー受けて今日はその撮影だ──」

「なる。楠木さんのお眼鏡にかなったわけか…」

それなら納得がいく──

そう思いながら何気に髭のホクホク顔をみて少し嫉妬した…

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