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第29章 夫婦

「私…どうしても結婚式は
ウエディングドレスが良くて。

和装も好きだけど
ウエディングドレスお姉ちゃんが使ったものが
私のためにとってくれてあるんです。

だからどうしてもそれが着たいんです！」


桜は勇気を振り絞り聖に伝えた。
話し合いにならないなといわれてしまったらと
ドキドキしていたが
下を向いていた桜が顔を上げると
優しい顔の聖が見ていた。


「やっと言ってくれた。

桜は我慢しすぎな。
言いたいことしたい事はちゃんと言えよ。

周りの意見に飲み込まれて言えないなんて
この先辛い思いするだけだからな。」



聖は桜に自分の意見をはっきりと伝え
自分の希望を声に出せるようにしむけていたらしい。

結局は聖の母が一枚上手で
桜のことは聖がというより
聖の母が解決に導いた。


「いいんですか…？」

「いいと思う。
真っ白なウエディングドレスの桜見てみたい。

和装は前撮りの時にしような。」


桜は幸せな気分で明日入籍することが出来そうだ。