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第31章 聖を襲う病魔

今やご飯の支度をするのは桜の担当になっていて
明日の朝の準備をしキッチンを片付けた後
部屋に戻った桜はベッドに腰掛け聖に話しかけた。


「どうして黙ってたんですか？
私ってそんなに頼りないですか？」

聖は布団を頭まで被っていて
何も言葉を発しなかった。


「私これでも成長した方だと思いませんか？

今も電車に乗るのは怖いですけど
でもあの時よりは確実に強くなってません？！」

確かにあの時に比べれば料理も出来るようになり
ラッキーと少し離れたスーパーまで行ったり
母とたまにフラワーアレンジメントの教室に行き
アシスタントとして手伝っていながら
聖の秘書としても頑張っていた。


「だからこそ…負担をかけたくなかった。

桜は強くなったし
こうやってワガママ聞いてくれてここに居てくれる。

そんな桜を残して死んじゃったらと思うと
怖くて言えなかった．．．」


桜は起き上がって話す聖を正面から包み込み
ギュッと力を込めて話す。


「今の医療を信じましょう？
治療費がかかるなら生活費は私の貯金から
出しますから心配しないで…」

聖は黙って頷き桜もベッドに入り
二人で抱きしめ合って眠った。