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秘花~王太子の秘密と宿命の皇女~
第11章 満月~あなたのいない世界~

大体、ジュチの供養に来てまで無益な殺生はしたくない。その後は木春菊を摘み花束を拵えた。それを持って少し歩くと、こんもりとした小さな土山が見えてくる。明らかに誰かの墓所らしいその土山の前に跪くと、賢は手のひらを合わせて長い間、祈りを捧げた。
それから、持ってきた木春菊を、更には宮殿を出るときから用意していた包みを開いた。鶯色の風呂敷から出てきたのは塗の重箱だ。二段になった重箱は上がおにぎり、下が卵焼き、ゴボウの金平、もやしと青菜のお浸しだ。
それから、持ってきた木春菊を、更には宮殿を出るときから用意していた包みを開いた。鶯色の風呂敷から出てきたのは塗の重箱だ。二段になった重箱は上がおにぎり、下が卵焼き、ゴボウの金平、もやしと青菜のお浸しだ。

