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秘花~王太子の秘密と宿命の皇女~
第11章 満月~あなたのいない世界~

二人で過ごしたのは二ヶ月ほどだ。だが、二ヶ月は短いようでも長い。嘉礼を挙げてから既に三ヶ月を経ているけれど、〝夫婦〟でありながら広大な宮殿で別々に過ごすことの多い自分たちより、あの男と賢が二人きりで過ごした二ヶ月ははるかに密度の濃いものであったはずだ。
賢はいつもあの男のために料理を作り、眩しい笑顔を見せていたのか。あの男は賢の身体に触れ、口付けの一つくらいはしたかもしれない。そういえば、賢がいつかの夜、〝抱かれる〟という言葉に過剰に反応したことを思い出した。
賢はいつもあの男のために料理を作り、眩しい笑顔を見せていたのか。あの男は賢の身体に触れ、口付けの一つくらいはしたかもしれない。そういえば、賢がいつかの夜、〝抱かれる〟という言葉に過剰に反応したことを思い出した。

