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秘花~王太子の秘密と宿命の皇女~
第3章 運命の瞬間

王妃が乾在であれば、まだしも状況は変わっていたに相違ない。王妃という存在が元国と高麗の橋渡しとなったからだ。だが、皇帝の愛娘であった王妃は出産で亡くなった。王妃という美しき楔(くさび)を失った時、高麗王の取る道は一つしかなかった。
賢は微笑んだ。
「母上は亡くなられても、生まれた私が王子であれば、いずれ私は父上の跡を継いで高麗の王となります。元の皇帝もその繋がりがあれば、高麗を無下にはしないと思し召した父上の深いお考えはよく判ります」
賢は微笑んだ。
「母上は亡くなられても、生まれた私が王子であれば、いずれ私は父上の跡を継いで高麗の王となります。元の皇帝もその繋がりがあれば、高麗を無下にはしないと思し召した父上の深いお考えはよく判ります」

