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第12章 愛の代償

　王妃を庇って瀕死の床にあった王が意識を回復したその日、王宮の見事な曲線を描く屋根瓦から二羽の白く美しい鳥が飛び立ったのを目撃した者が幾人もいたという。





　その三年後、高麗の民が待ちわびた王室の慶事があった。王妃から第一王子生誕、王讃と命名される。共に二十一歳の若い父母となった国王夫妻と生まれたばかりの未来の高麗王を高麗全土の民が祝福した。