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秘花~王太子の秘密と宿命の皇女~
第15章 第四話【雪の華舞う、その夜に】
 いや、本音を言えば、十歳で父母を失ってからというもの、身売りするように内官になってから、誰一人として私にそんな優しさをくれた人はいなかった。だから、王太子殿下が示した優しさは余計に心に浸みたのだ。





 王太子殿下の笑顔が急に曇った。輝いていた月が雲に閉ざされたかのようだ。
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