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第18章 春の雪～十一歳の花嫁～

　何しろ時の国王のお声がかり、つまり王命による婚姻ゆえ、李家にしてみれば最初から断るすべもない話ではあった。この婚姻に対し、ジュチの父イ・ジュンスクは難色を示した。





　というのも、娘の良人となる王承にはとかくの風評があるからだ。王承はとにかく女癖が悪いとの専らの評判である。しかも、新婦となるジュチはまだ十一歳になったばかりで、初潮も見ていないような幼さだ。王承は既に二十三の成年男性であり、十二歳差のこの結婚が上手くいくとは誰も思えなかった。