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第18章 春の雪～十一歳の花嫁～

　夜着姿の光興君こと王承が見たのは無駄に大きな夜具の側で無邪気に眠る花嫁の寝顔だった。十一歳の花嫁は片手にしっかりと人形を抱きしめて眠っている。



「端から期待していなかったが、よもや夫婦の初夜に人形持参とは」





　王承の整った面に皮肉げな微笑がひろがる。呆れたような溜息をつき、彼はそのまま閨に脚を踏み入れることなく去った。