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秘花~王太子の秘密と宿命の皇女~
第19章 再会の瞬間(とき)~月日は流れ流れて~
「私の中で、あなたさまと過ごしたあの一瞬はとても輝いた幸せな記憶となりました。あの三年後、あなたさまが光興君さまに嫁がれたとお聞きしたのです」
「私はあなたを待っていたの。梔子の樹の側に行っては、いつか周緻が来てくれるのではないかと思っていた。でも、幾ら待っても、あなたは来なかった。あなたはきっと私との約束なんて忘れてしまったのかと思って、諦めようとした。それでも諦められなくて、笛を吹いたわ。塀の向こうで、あなたが聞いてくれているかもしれないと思いながら」
「私はあなたを待っていたの。梔子の樹の側に行っては、いつか周緻が来てくれるのではないかと思っていた。でも、幾ら待っても、あなたは来なかった。あなたはきっと私との約束なんて忘れてしまったのかと思って、諦めようとした。それでも諦められなくて、笛を吹いたわ。塀の向こうで、あなたが聞いてくれているかもしれないと思いながら」