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秘花~王太子の秘密と宿命の皇女~
第20章 恋情~切なくて逢いたくて~
 この男(ひと)は何を言っているのだろう? 王承の質問はジュチが理解するのに刻を要するほど現実からはるかにかけ離れたものだった。



「五月の終わりに庭でこの歌を歌って泣いていたのも、殿下のせいだったのだな」






 ジュチは珊瑚色の紅を引いた唇を小刻みに震わせた。
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