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秘花~王太子の秘密と宿命の皇女~
第20章 恋情~切なくて逢いたくて~
「離縁などしてやらぬぞ。どうせ、そなたは王位継承の見込みもない、落ちぶれた二代前の王の子よりは国王の側に侍りたいと思うているのであろうが、そうはさせぬ。たとえ王が私からそなたを奪おうとしたとて、そなたは渡さぬ」
そなたを他の男に奪われるくらいなら、いっそ妻を殺して私も死ぬ。
酔いにほんのりと眼許を染め、口許を歪める王承には凄みがあった。元々が美しい男だけに、怒りと嫉妬に悶え苦しむ様は凄艶でさえある。