この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
秘花~王太子の秘密と宿命の皇女~
第20章 恋情~切なくて逢いたくて~

だが、彼は無事、去勢手術を乗り切り回復した。一時は傷痕が化膿しかけたものの、ドチの技術は確かだった。高熱で震える周緻の汗を拭き、手を握りしめドチは言ったという。
「生きていたら、また良いこともある。だから、生きろ。内官になっても、心で女を愛することはできる。男は身体で女を愛するんじゃない、心で愛するんだ。いつか内官であるということを受け容れてなお、お前を心から愛してくれる女がお前の前に現れるはずだ。生きることを諦めるな、怖れるな。死地を抜け出して無事生き存えたなら、今度こそ自棄にならず生き抜け」
「生きていたら、また良いこともある。だから、生きろ。内官になっても、心で女を愛することはできる。男は身体で女を愛するんじゃない、心で愛するんだ。いつか内官であるということを受け容れてなお、お前を心から愛してくれる女がお前の前に現れるはずだ。生きることを諦めるな、怖れるな。死地を抜け出して無事生き存えたなら、今度こそ自棄にならず生き抜け」

