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秘花~王太子の秘密と宿命の皇女~
第20章 恋情~切なくて逢いたくて~

「周緻はお父さまやお母さまの命日に必ずここに来るのよね。そのときには必ず、お二人のことを思い出すでしょう。人は死んで肉体は現世(うつしよ)から消えても、その人の生きた記憶は残った人の中で輝く想い出となって永遠に生き続けるのよ。そして、また、その人が亡くなっても、次に残った人たちの中で亡くなった人たちは生きてゆくことができる。周緻も私も、百年後にはこの世にはいないでしょうけど、私たちを知っている人たちの心の中で生きることはできるわ。それで良いのではないかしら」

