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秘花~王太子の秘密と宿命の皇女~
第24章 後宮という名の檻
「形見になりそうなものといえば、これくらいしかなかった」


 それは珊瑚の腕輪だった。元々はフィメリアがレセに与えたものだ。レセはとても歓んで、いつも身に付けていた。


「あの者がそなたの友とは思えぬが」




 讃の言葉に、フィメリアは涙に濡れた眼で彼を見た。
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