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秘花~王太子の秘密と宿命の皇女~
第26章 喪失、そして愛、ふたたび
 確かに彼の言うとおりだった。あの衝立はスエンに懇願されてフィメリア自身が描いたものだ。スエンは戦禍に見舞われた夏陽から身一つで逃げ出すときでさえ、あの衝立だけは持ちだしてきたのだ。


 フィメリアは唇を震わせた。



「昨夜、私たちを訪ねてきたのは殿下だったのですか」




「そなたが衝立の後ろにいたことも予測はついていたがな」
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