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秘花~王太子の秘密と宿命の皇女~
第27章 高麗の夜明け
「ああ見えて、姉はなかなか人を見る眼の厳しい頑固な質です。姉がお尽くしするのに値するお方だと思ったからこそ、自ら決めてなしたことですゆえ、私や家族は何とも思ってはおりませぬ。私もまた、姉がそこまで忠誠を誓っていた姫さまにこうしてお仕えすることができて、光栄だと思っております」
「ありがとう。こんな数ならない私にそこまで言ってくれて」
フィメリアは花羅の手を取り、自分の手を重ねた。花羅の紅を引いた唇が震える。